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ピンクの猫


私が入院した棟は、ナースステーションを挟んで
向う側が小児病棟になっていました

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私、実は入院、かなりのベテランなのですよ
カナダ、香港、千葉で入院したことが有ります(笑)
まぁ、そのうちの二つは出産ですが^^
でも、小児病棟の側の部屋にいたのは今回が初めてです

子供達が病室から出てくることは余りなかったので、
出会う事は ほとんどなかったのですが、
声はよく聞こえるんです
病院の面会時間は夜の8時まで。
ご両親でも、それ以降は病室に留まることは出来ません

病院に数日いると、一日の間に何回か決まった院内放送があることがわかります
それぞれの院内放送、ほとんど聞き流しますが
夜7時59分、院内放送を知らせる音楽が流れると
子供達の泣き声が一斉に聞こえてきます
階全体に、いたたまれない悲しく辛い空気が流れる時間です
幼い泣き声。
それが何の放送なのか、聞く前に分かっているんですね
胸が張り裂けるような気持になります
どんな病気と闘っているのかわかりません
とにかく早く退院できることを祈るしかできませんでした
きっと、退院した時には、人の痛みや悲しみや優しさを知り
同じ年齢の子達よりも心が大きく成長しているに違いありませんね

ピンクの猫_e0195115_6582861.jpg

午後7時59分になった時
どこからともなく、大きな大きなピンクの猫が現れて
時計を、その大きなお腹の中に隠してしまいました
男の子が大嫌いな午後8時。
もうとっくにきているはずなのに、時間は7時59分で止まったままです
大きなピンクの猫は言いました
<私は、このままずーっと時間を止めておくことが出来るんだよ。
君はいつまでだって、パパ。ママと別れることなくこのお部屋の中で遊んでいることが出来るよ>
男の子はビックリしてピンクの猫を見つめました。
<えっ、本当なの?僕はずっとパパやママと居られるの?>
ピンクの猫は答えました
<もちろんさ、いつまでだってだよ>
男の子は大喜びでママの手を握り、
物語を読んでくれる パパの優しい声に聞き入っていました
優しいママの手のぬくもり、
決して終わることの無い、パパが読んでくれる物語
男の子は、心から安心して、ピンクの猫に言いました
<猫さん、僕はこのままパパとママと一緒にお家に帰って
ママの美味しいご飯を食べて、自分のベッドで寝て、
明日はお友達にも会いに行くよ!>
ピンクの猫は、それを聞くと 悲しそうな顔になり
静かに静かに首を振りながら 男の子に言いました
<私に出来るのは、今を止める事だけだよ。
君はずーっとこのまま このお部屋でパパとママと一緒にいるか
8時を迎えるか、決めなくてはいけないんだよ>
そういいながら、ピンクの猫は、大きくてフサフサの尻尾を 
男の子の身体に延ばし、優しく優しく包んであげました

男の子は、また悲しくなってきて
パパとママと別れて、一人で病院のガランとしたお部屋に残されるぐらいなら
ずっとこのままでいいや、と思いました

ママの手は温かく、パパの読む物語は楽しく
ピンクの猫の大きな尻尾は柔らかく・・・・でも・・・
男の子は勇気を奮い立たせてピンクの猫に言いました
<猫さん、どうも有り難う。もう8時にしてください。
僕は一人で寝るよ。そして病気を治すよ。
そして、パパとママと一緒にお家に帰るよ>
ピンクの猫は、優しく微笑み、大きな尻尾が男の子の背中から離れた瞬間
ポンポンポーンという8時を知らせる放送が流れてきました













 
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Commented by atsuko at 2016-10-04 09:55 x
YOKOさん、絵本を作って欲しい!
見開き2ページで。
左には1枚の優しい絵と、右には小さな優しい物語。
作って!作って!
Commented by ねこばばあ at 2016-10-04 10:21 x
ねこばばあは今のスーパーの前は
病院内のコンビニに勤めていたので、
今日の物語は心にぎゅぅぅーーと来ます。
ちいさな体で懸命に病気と闘ってるちいさな戦士たち。
はやくみんな元気におうちに帰れますように。
あらやだ、涙が出て来ちゃった・・・
Commented by 黒猫ワグちゃん at 2016-10-04 11:41 x
yokoさん お帰りなさい。
優しいピンクの猫ちゃんの詩を読んで泣きました。
どの子も早く元気になってお家に帰れるよう私も祈ります。
yokoさん、手術なんて大変でしたね。ニャン護婦?さんたちの介護で一日も早く全快しますように~
私もzunくん、ビーたんに負けないくらい淋しくって下北沢のお店にハガキを買いに行ったりしていました。
yokoさんの絵画展を楽しみに待っていまーす!
Commented by hiipopo at 2016-10-04 12:25
これ!!これ!!完璧じゃん!!!
ついに絵本ができる♪
Commented by やまさん at 2016-10-04 12:26 x
こんにちは✨😃❗✨😊
男の子が8時にしてよ!と決意するところ ぐっと来ました❗❗❕😊😁❤💕💝✴💡🎵💯
こういう素敵なストーリーがいくつか有れば、
びょういんものがたり
という絵本が出来るでしょうね✨☺🌄🍀❗❕
やまさんも、入院二回ありました❗ 本当に退屈で暇でひまで、辛かったです😅💔💦💧💨💤
ではまた~
Commented by ねこなで at 2016-10-04 13:41 x
もうこれは完璧な絵本の世界ですよ〜〜☆
やだ、お昼たらふく食べたオバさんがソファの上で読みながら
泣いちゃったじゃないの〜〜(^_^;)
重篤な病いじゃないけれど、娘が3、4歳の頃入院した時の記憶が
ガァ〜っと蘇りましたよ!
後ろ髪を引かれながら、娘を置いて帰る私達親はメソメソと涙がこぼれて。
娘がベッドの上に立って指しゃぶりしながら、ずーっと窓辺を見ていたと
後から看護師さんに聞かされてまたまた号泣〜〜。
あの時の娘にもこんな猫さんが寄り添ってくれていたのかしら?
yokoさん、素晴らしい絵とお話を本当にありがとうございました!
今日のブログは永久保存版にして下さいませ〜♪
Commented by LimeGreen at 2016-10-04 18:46 x
なんか泣けました…。
子供なんて好きじゃないのにね。

ところで、カナダ、香港、千葉で入院してて、そのうち2回は出産って…すごいわぁ。
Commented by 白猫ベル at 2016-10-04 21:33 x
Yokoさん☆改めて入院、手術大変でしたね、そして先生から丸印をもらって順調に元気になって本当によかったです。Yokoさんだからこそ包み込むような優しい今日のブログと素敵なピンク猫の絵が表現できるんですよね~
勇気と希望、日々当たり前に思っている健康の尊さを考えさせられました。

きゃー!(^^)!! 美少年!!!!! 私、見とれてしまった(^^)
ニャンズにベタベタ、チュウチュウされていいなぁ~~しばらくムリせずにbeeタン&ZUNZUNの愛の力にドップリとひたってくださいね(*^^*)
Commented by love-zun at 2016-10-05 11:23
☆atsukoさん☆
有難う。嬉しいコメントだわん!
良いですよねぇ~絵本♪
でもね、この怠惰な怠け者ゾンビの私が
いろいろなハードルを乗り越えて、一冊作り上げるなんて
ちょっと想像出来ないのよね。
以前は、<絵本が夢だな>なんて思ったことも有ったけど
どうも気力が衰えてる・・・
ブログでたまーに思い付きをアップする程度が
丁度いいのかも?
Commented by love-zun at 2016-10-05 11:28
☆ねこばばあさん☆
そうでしたね、ねこばばあさん 病院のコンビニだった!
病院内って、胸がぎゅーんとなるドラマが溢れていて
そこで働くのって、いろんな意味で凄く強い心が必要だなって、つくづく思いました。
子供は、動物と同じで、元気でうるさくて、我儘で
<クッラー>って追い掛け回す存在でなくてはいけないのに
そんな年頃の子達が 病室で自分だけの戦いに向かい合っているなんて・・・考えるだけで苦しいです
本当に、苦しいですね
Commented by love-zun at 2016-10-05 11:35
☆黒猫ワグちゃんさん☆
ただいま!ご心配おかけしました。
病気と闘う子達の事を考えると、どうしようもなく虚しくなりますが、
子供達は 私達が考えるよりも、ずっとずっと勇敢で、
生命力に溢れているのかもしれませんね。
全ての子達が戦いに勝って、誇らしくお家に帰ってほしい。
ヘタレな私は、ダラダラと過ごしていますが、ニャン護婦達は
呆れるほどに優しく見守ってくれています(笑)
来年こそは、個展をしますので、どうぞ楽しみにお待ちください!!
本当に有難うございます♪
Commented by love-zun at 2016-10-05 11:36
☆hiipopoさん☆
いやー、絵本が出来るほどのものではないけれど
それでも そんな風に言って頂けて嬉しいです!!
ありがとーー♪
Commented by love-zun at 2016-10-05 11:39
☆やまさん☆
こんにちは!
病院で戦っている子達は、私達が想像する以上に
いろんな経験をして、泣きながら強くなって、優しくなって
きっとみんな元気になってお家に帰るって信じたいです。
大人でも、入院って、本当に憂鬱ですよね・・
Commented by love-zun at 2016-10-05 11:46
☆ねこなでさん☆
お嬢さんが入院されたことがあるのですね。
それは・・・辛い経験を思いださせてしまって、ごめんなさい!!
私は逆で、双子を妊娠した時、なるべく長くお腹の中で育てないといけないので、安静入院が必要になって、
半年以上病院に入っていたことが有ります。
その時、娘は3歳。面会に来ても、時間が来たら帰らなくては行けなくて、<お家に帰るのは嫌だ>と 毎回大泣きしました。私のお布団に隠れたことも・・・
<大丈夫だよ。またいつでもおいで♪>って明るく送り出した後、やっぱり涙が出ました。
忘れがちだけど、なんてことない日常を送れることって
奇跡のように素晴らしい事なんですよね。


Commented by love-zun at 2016-10-05 11:50
☆Lime Greenさん☆
フフ、<子供なんて好きじゃないのに>仲間・・・(笑)
凄いでしょ?
一時、行く国々で血を流し病院視察をする女と名乗っていました(嘘)
実は今回の件も、NYに居る時に分かって、もしかしたらNYで手術・・??って事もあったのですが、
色々考えて、術前逃亡しました(爆爆)
NYでやって、記録更新するべきだったか?(笑)
Commented by love-zun at 2016-10-05 11:56
☆白猫ベルさん☆
台風大丈夫ですか?今そちらが大変かも?ってニュースで流れていて、心配しています!
丁度私が入院するひと月ほど前に、絵描きの友人が手術をして、その時に、絵を描く道具を持って行って、
凄く助かったって聞いていたんです。
彼女は風景画家なので、窓からの景色をスケッチしたらしいですが、私のベッドって、カーテンに囲まれていて、
カーテンを開けても窓から外が見えない最悪の場所で・・(笑)
それに、絶好調でも風景画なんて苦手な私
いつものように、自分の妄想の中に引き籠り、絵や文章を書いていました(笑)
ズンビー・・特にビーのベタベタはまだまだ続きそうなので
暫くはハネムーンを楽しもうと思います♪♪


by love-zun | 2016-10-04 07:17 | | Comments(16)